温故知新


日本文化の喪失の一端は住宅建築によりもたらされたと考えています。それは西洋的な住宅の模写から始まり、日本全国同じ型式のハウスメーカー等の住宅が建ち並び、地方においても地域がコミュニティを失い、家族のコミュニケーションがとれなくなった。家族の中でプライバシーを守りすぎる住宅の建築により、子供たちが部屋からでなくなり、親たちも地域との関わりを遠ざけていったように思います。阪神淡路大震災やニューヨークの同時多発テロに遭遇された当事者の方々は皆一様に地域のコミュニティの大切さ、家族の助け合いの大切さを改めて感じたと話されていました。
先人が築いてこられた地域文化を大切にしつつ、これからの住宅のありかたを住まい手と一緒に考えていきたいと思っています日本の木の文化を継承していく必要があります。国産林の備蓄は住宅産業を支えていくだけの量を蓄えていることを知っていただきたいし、山は計画的に伐採しないと荒れ放題になってしまう事もみなさんに知っていただきたい。日本の木を使って住宅を建築する事が自然を守り育てることの一助になると私は思っています。